食品製造加工プラント
醤油諸味タンクには従来ライニング鉄やFRP等が使用されていましたが、メンテナンス作業の軽減や維持管理費の削減が期待できるスーパーステンレス鋼が初めて採用されました。諸味は極めて高い濃度の食塩を含有するため、汎用ステンレス鋼では孔食やすきま腐食、応力腐食割れ等が発生する懸念がありますが、日本冶金工業のスーパーステンレス鋼は、この苛酷な腐食環境でも十分な耐食性を発揮します。
タンク開放点検動画(ドローン撮影)
塩みりんタンク
塩分を含まず比較的温度の低いビールやワイン醸造タンク等には、従来より汎用ステンレス鋼が使用されていました。酒やみりんなどの高濃度塩化物および有機酸を含む調味料の場合には、その醸造過程において、pHの低下と温度の上昇により汎用ステンレスにとっては厳しい腐食環境となります。日本冶金工業のスーパーステンレス鋼の優れた耐食性は、その過酷な環境に耐え、食品プラントの長寿命化を実現します。
薬品製造
薬剤製造プラントに内を流れている各種薬品には、金属材料に対して腐食性を示すものが多数あります。ハロゲンは孔食、隙間腐食、応力腐食割れなどの局部腐食を、酸などは全面腐食性を起こす環境を作りだします。このような薬品を製造する設備では優れた耐食性を示す日本冶金工業のスーパーステンレス鋼が使われています。
食塩製造プラント
食塩の製造方法には、海水の加熱濃縮により製造する方法があります。その環境では高温と高濃度塩化物が不可避です。
従来、ステンレス鋼の適用は不可能とされ、ハステロイ®合金、チタンが使われてきましたが、日本冶金工業のスーパーステンレス鋼は、これらに替わるステンレス材料として初めて採用されました。
ポリカーボネイト
近年プラスチックのなかでも急激に需要を伸ばしてきたポリカーボネイト。その優れた特徴から環境ホルモンを嫌う弁当箱や哺乳瓶その他の食器類、各種自動車内装用プラスチック、 CDや光ディスクなどの情報保存媒体、意匠性を生かしたカメラケースなど、その用途はますます広がっています。このポリカーボネイトの製造では塩化物が使われる工程があります。塩素イオンによる局部腐食を大幅に改善出来る、日本冶金工業のスーパーステンレス鋼や二相ステンレス鋼がこれら設備に使われています。
苛性ソーダ製造
苛性ソーダは、化学工業にとっては「お米」のように重要な原料です。苛性ソーダ製造法には幾つかありますが、環境への配慮という点からイオン交換膜法が広く用いられるようになっています。イオン交換膜法では、水溶液の入った2つのセルを陽イオン交換膜で分離したものに電圧をかけ、陰極側から苛性ソーダを発生させます。この陰極板に日本冶金工業の純ニッケル材料NASNi201が使われています。
海水淡水化
海水中には平均的に3.5%のNaClが含まれており、海水を扱う設備では隙間腐食のような局部腐食性を起こす恐れがあります。降雨量が少ない国々では海水を淡水に変換する海水淡水化装置が多く設置されますが、それら装置は長寿命とメンテナンスフリーであることが期待され、装置の信頼性が非常に重要です。このため海水淡水化装置には、海水環境で優れた耐食性を示す日本冶金工業のスーパーステンレス鋼や二相ステンレス鋼が使われています。
*ハステロイはHaynes International, Inc.の登録商標です。