堤 文仁技術系 研究開発

  • 工学院材料科学 専攻

  • 入社の理由高機能・高付加価値材の多様性と、それらをつくり出す高度な技術力に惹かれ、開発に関わりたいと思った。

  • キャリアフロー2014年入社。技術開発室(現・製造技術部)鋼板技術チームに配属後、2017年より技術研究所に配属。

大学院では主に金属の開発を行っていましたが、ステンレス鋼についてはこの会社を知って調べました。耐食合金や耐熱合金など多彩なバリエーションに大きな可能性を感じたこと、そして高い技術力に魅力を感じて入社を決めました。

最初の配属は技術開発室鋼板技術チーム。研究職を志望していましたが、製造行程を知っておくことは重要と考えていたので、納得でした。担当は薄板工場の焼鈍酸洗(AP)ラインの製造・品質管理。APラインは5機あって、そのうちの一つを任されました。理解できたのは専門用語くらいで、大学でやってきた研究と企業の製造は全く別物。設備の仕様から製造ラインの構成、鋼種ごとに異なる製造の考え方など、先輩にフォローしてもらいながら一つずつ学んでいきました。企業の目的は利益を生み出すことですから、品質と生産性に加えてコスト管理も重要な仕事となります。この3つを絶えず改善する、まさに終わりのない業務でしたが、他のラインまで視野に入れて課題を追求していくことで、製造全体を理解することができました。

4年目を迎え、今いる技術研究所の材料グループに異動しました。そこでの任務は、前に担当していたAPラインの生産性を上げるためのプロセス開発。コイルの連結に使われる抵抗溶接技術の強化が主要テーマでした。つねに材料が流れ続けるAPラインでは、いかに早く精確にコイルを溶接できるかが生産性の向上を進めるうえで重要となります。製造当時からの課題だったので、研究側から何としてもやり遂げたいと思いました。

与えられた時間は約15カ月。まずは溶接の基礎を知るところから始めて、原理原則を押さえながら、実験で現物を何度も確認して傾向を捉え、さらに現場と連携して実機での実現性を評価する。実験と実際の結果が合わず苦難の連続でしたが、ズレを予測したうえでの条件設定を考え抜いたことで、どうにか予定通り操業にこぎつけました。自分の立てた仮説や推測がはまった時の喜びが研究者の醍醐味ですが、それを引き出すのはやはり「知識」でした。これからの課題は、様々な鋼種や板厚のバリエーションを網羅し、高機能材へと広げていくこと。さらに知識を積み重ねて、ひとつずつクリアしていきたいと思います。

✕を○にできたら次は○を◎に変えていく、飽くなき追求心。この会社のモノづくりの姿勢に魅力を感じます。製造も研究もアプローチの仕方が違うだけで、目指すことは同じ。すべての関係者が一丸となって取り組むのが、日本冶金工業の強さだと思います。

※インタビュー内容は取材当時のものです。

河村 憲和技術系 設備(電気)

  • 理工学研究科電気電子工学 専攻

  • 入社の理由日本の得意分野は高品質・高付加価値の製造業。中でも素材メーカーは強い。「ここだ」と思った。

  • キャリアフロー2013年入社。以来、設備管理部制御課電気計装係に所属。

これから数十年働くことを考えたとき、日本の得意分野で働きたいと思いました。高品質、高付加価値な製造業こそ日本の強みであり、その強みを今後も継続して発揮できるのは素材関係のメーカーだと考えたのです。私は大学で電力システムを学んだので、製造に大きなエネルギーを使う材料メーカーなら、その専門が活かせる。そう考えて出会ったのが当社でした。

入社後は設備部制御課に配属になりました。主に熱間圧延機、溶接機のラインで電気が関係する設備のメンテナンス、小規模な改造、老朽設備の更新を担当しています。突発的な不具合への対処もあり、また、現場からの要望で行う安全性向上のための更新作業もあります。最近は1人で任される仕事の範囲も広がり、自分なりの問題意識をもって仕事に取り組めていると感じています。

設備のメンテナンスや更新作業の中でも、特に操業方法を変えるときは、安全面で問題ないか、他設備に影響を与えないか、電気以外に手段はないかなど、直接電気回路や制御ソフトを変更する以外にも、あらゆる視点から検討を加える必要に迫られます。相談する相手も工場だけではなく多くの関連部署、工事業者との調整もあり、コミュニケーションが非常に重要になってきます。

実は大きな失敗も経験しました。高圧電源ケーブルの更新工事の時です。いざ工事にかかろうとすると、想定とは異なるルートで配線されていることが分かったのです。明らかに私の調査不足でした。工場の設備が止められる期間は限られているため、直前で慌ただしい工事計画の変更を迫られ、関係者に迷惑を掛けてしまいました。「大きな仕事は計画、準備で8割が決まる」――その時の大きな教訓です。

工事の施工方法や機械の構造など、機械設備の面で、私の知識はまだまだ足りない。現場で担う一つひとつの工事のなかで、問題意識を持ってしっかりと習得していきたいと思っています。

当社は働きやすい規模の会社だと思います。部署間での壁も小さく、風通しが良い。問題点の改善も部署を越え一丸となって向かっていける。この少数精鋭の組織の欠かせない一員となって、さらに会社に貢献していきたいと思います。

※インタビュー内容は取材当時のものです。

時澤 健実技術系 設備(機械)

  • 工学部機械工学科

  • 入社の理由大学で学んだ機械設備の知識が活かせる。とにかく現場が好き。先輩も数多く働いている。

  • キャリアフロー2012年入社、設備部保全課に配属。2018年よりMPIプロジェクトチームに異動。2022年より設備管理部保全課保全係長。

大学では機械設備の設計を学びました。もともと機械が好きで、車やバイクは今も自分でいじる。できるだけ製造現場の機械のそばで働きたかったので、何回か工場見学をし、工場の雰囲気が気に入って入社を決断しました。

今は設備部の保全課に所属し、製造機械の定期修理の計画立案をメインに担当しています。特種な大型機械を除けば熱延工場の全ラインをほぼ一人で受け持っています。突発的なトラブルへの修理対応から予備品の管理・図面製作も私の仕事です。

当たり前のことですが、製造機械は動き続けることになっています。それを前提に製造工程が組まれ、納期も決まります。長期間止めることができるのは、夏季と年末年始の休業時だけ。それだけに毎月の定期メンテナンスの計画・管理は、突発的な不具合を招かないために非常に重要になります。しかし、機械によっては老朽化が進んでいるものもあり、一律の段取りでは対応できません。定期メンテナンスとはいえ、計画はそれぞれの機械に合わせ慎重に組まなければならない。「先を読む力」が必要だ、ということを知ったのは、入社して3年目くらいでした。

「ちょっと見てほしい」――突発的な故障で現場から呼び出しがかかると、すぐに飛んでいきます。何が原因なのか、どこまでが応急措置で対応できるのか。どのレベルの補修にどれだけの時間かかるのか、それとも別のラインに回すのか。一刻を惜しみながら状況を把握し方針を立て、実行していかなければいけません。「直るの? どれくらいかかるの?また不具合は出ない?」――現場の担当者だけでなく、生産管理部門からも矢継ぎ早の質問が飛びます。「よく分かりません」では通らないので、もてる知識を総動員し、時間と勝負しながら、判断をくだします。

だから私は、暇さえあれば現場に行きます。担当以外の機械もじっくりと眺めて、どこがどう動いているのか、現場で費やす時間が新たな知識を与えてくれます。この経験がいつか役に立つことがあるだろうから。

今よりも長い視野で、設備のことを考えていけるようになりたいと思います。これまでは目の前のことで精一杯でした。しかし、どの設備がいつ頃更新期を迎えるのか、それまでどのように維持していくのか、今何に気を付けなければいけないのか――自分なりに長期方針を立てて、機械の順調な稼動を支えていきたい。「時澤が言うなら、そうだろう」と、信頼を寄せてもらえるように、まだまだ現場にこだわるつもりでいます。

※インタビュー内容は取材当時のものです。

阿部 大輝技術系 製造技術

  • 工学部 マテリアル工学科

  • 入社の理由研究室のOBが就職していたことから日本冶金工業の存在を知る。適度な規模感と東京近郊で勤務できることから入社を決めた。

  • キャリアフロー2018年入社。新入社員研修後に製造技術部素材技術チームに配属。熱延工場の技術スタッフとして操業や品質安定化を担当。2024年に技術研究所に異動。

大学では非鉄金属について研究していたので、培った知識を活かせる素材メーカーや材料メーカーを志望していました。研究室のOBが就職していたことに加えて、適度な規模感に惹かれ日本冶金工業の選考を受けました。あまり会社が大き過ぎると埋もれてしまいそうな気がしていたので、ここなら自身の力を十分に発揮できそうだと思いました。また、利便性に優れた首都圏に勤務・居住できることも魅力でしたね。最終的にはこの2点が決め手となり、日本冶金工業を選びました。

私は入社以来製造技術部素材技術チームに所属しています。チームのミッションは、製鋼工場と熱延工場における操業改善・品質の安定化であり、私自身は熱延工場を担当しています。品質安定化業務のひとつは、不良品発生時の対応です。キズや形状不良などが発生すると製造現場から報告が上がってきます。これを他工程の工場と共有したうえで製造現場のオペレーターと共に原因を突き止め、解決策を施して問題を解消します。また、営業部門を介して顧客企業から新たな製品のサイズや仕様などについて相談されることも多くあります。製造装置の特性を踏まえながら適した熱延の方案を考えることも、多品種少ロットを支えるうえで重要な職務です。このとき、特に難しいと感じるのは加熱の最適化です。ステンレス鋼や高ニッケル合金は含まれる成分によって、それぞれ加工に適した温度が異なります。このようななかで、いかにエネルギーロスや不良品の発生を抑えつつ加熱パターンを統一するかで悩むことが多いですね。そうした際には、過去の報告書や文献を読み漁り、ヒントを見つけ出すことに注力しています。また、新たな製品を扱う際には、試行錯誤を繰り返しながら最適な製造方案を模索します。苦労が多く、難易度が高いぶん、無事に安定操業を実現できたときの達成感は大きいです。

なお、実務に就いてから特に感じた日本冶金工業の強みは、川崎製造所の一貫製造体制、すなわち「適度な規模感」にあると思っています。課題やトラブルが生じた際はすぐに現場に駆け付けられますし、他工場の関係者も交えて協議する際にも気兼ねなく集まれます。こうした環境は、互いの信頼関係醸成にもつながるので、品質向上や効率化に向けて、誰もが前向きに協力し合うのです。学生時代の着眼点は正しかったのだと思いますね。

5年以上同じ部署で勤務してきましたが、技術者として力量を高めていくうえでは、材料に限らずさまざまな知見を養う必要があると思っています。今度異動することになりましたので、良い機会と捉えて多様な経験や知識を蓄積していきたいですね。やりたいと思ったことを任せてもらえる社風があるので、主体的にテーマを探してチャレンジしていきたいと考えています。

※インタビュー内容は取材当時のものです。

朝倉 菜々子事務系 総務

  • 文学部 文化史学科

  • 入社の理由女性進出に貢献したいと思って就職活動。注目した鉄鋼業界のなかでも独自性の高い事業展開で競争力を発揮していることから入社を決意した。

  • キャリアフロー2020年入社。新入社員研修後は総務部総務チームに配属され、川崎製造所内の備品管理や設備改善を担当。

就職活動に臨む際は、女性の活躍の場を広げることに貢献したいと思いました。早期から自身の着想や経験を活かせそうだと考えたことから、敢えて女性進出が遅れている鉄鋼業界に着目しました。日本冶金工業の存在はこの過程で知りましたが、シーズヒーター用耐熱鋼のような世界でトップシェアの製品を扱っていて、独自性の高い事業展開で競争力を発揮している点が魅力的でしたね。女性進出にも貢献できそうで、会社として将来性もあると感じたことから入社を決めました。

入社後は、川崎製造所の総務部総務チームに配属されました。チーム内には「会計担当」と「庶務担当」がありますが、私自身は庶務担当として、川崎製造所における各種契約管理や福利厚生設備の改善・拡充に従事しています。川崎製造所は昭和初期から存続している歴史ある工場ですが、従業員の大半が男性という時代が長かったため、トイレや更衣室など、女性向けの設備・施設の拡充が喫緊の課題になっています。部署内では、私が初の女性総合職なので意見を求められる場面が多くありますし、他部署の女性従業員からは「総務部に女性スタッフがいると相談しやすい」と言っていただけます。就職活動中に思い描いていたとおり、早い段階から女性としての視点・経験を活かせているので、大いに張り合いを感じています。なお、新規設備の選定や、工事の進捗管理を行う上では設備部門との協議が不可欠です。さまざまな関係者との調整を要するため、女性向けの設備を拡充するうえでは面倒がられたり煙たがられたりする場面が出てくるものと覚悟していましたが、現実は真逆で、だれもが協力的に対応してくださいます。実務を進めるうえでは、とても心強いです。

もちろん苦労もあります。例えば、備品が故障した際の対応。設置場所や故障した備品の種類、故障原因などによって、修理の依頼先や修理作業内容、作業の実施許可をとりつける先が異なります。これらを正確に把握しつつ、迅速な復旧を目指さなければならない点で大変さを感じますね。従前はベテラン社員の経験と知見で対処してこれましたが、それでは新たに配属されてきた人は、都度、同じ苦労に直面してしまいます。誰でもスピーディに対応できるようにするため、トラブルの内容や対処法のデータベース化に励んでいるところです。

まだまだ、川崎製造所内には改善すべき箇所が多くあります。会議などフォーマルな場だけでなく、日常的なやりとりからもヒントを得たいので、他部署の女性従業員とは会話の機会をできるだけ増やすよう心掛けているところです。こうした取り組みを通じて、女性従業員が存分に活躍できる場を整えていきたいと思っています。

※インタビュー内容は取材当時のものです。

小江 亮太事務系 販売(国内)

  • 法学部 法律学科

  • 入社の理由トレンドの影響を受けにくい安定性から素材メーカーに着目。技術力の高さや社員との相性の良さから入社を決めた。

  • キャリアフロー2018年入社。生産管理部で生産企画業務や原価管理業務に携わった後、2021年から東京支店に異動し、東日本エリアを担当。

流行り廃れや当たりはずれの影響を受けやすい最終製品に比べて、素材産業なら安定した需要が見込めると考えた私は、早期から素材メーカーに絞って就職活動していました。説明会や面接での印象を判断軸にするなか、接する社員の方々が気さくでもっともフィーリングが合った点、高度な技術力で存在感を発揮している点に惹かれ、日本冶金工業を選びました。実際に、多くの上司や先輩から親身に面倒を見ていただいてきましたし、営業として勤務している現在は、品質改善意欲の高さなどで心強く感じる場面が多くあります。いま振り返ってみても、当時の着眼点や選択は正しかったと思っています。

入社後、3年半は生産管理部に所属し、生産計画の立案や原価管理などに従事しました。2021年の秋に東京支店に異動し、東日本エリアの販売会社様や二次加工メーカー様の営業担当として勤務しています。納期や価格に関する顧客との交渉をはじめ、工場との折衝、市況の調査、関連業界の動向調査など実務は多岐にわたります。近年は、原材料のニッケル高騰に加え、海外の安価な製品が台頭してきていることもあり、特に価格交渉に苦心しています。製品のクオリティの高さや、安定供給できる体制をアピールすることでカバーしようと努めているところです。

また、私が担当している販売会社様は、業界内でもトップクラスの規模であり、異動後の見習い期間を経てすぐに担当することになったので驚きました。日本冶金工業の経営に大きな影響力をおよぼす重要顧客なのでプレッシャーもありますが、早期から大きな仕事を任せてもらえることで、成長が速まったと実感しています。また、以前の生産管理部での経験の重要性も感じます。製造工程を理解できたことで、顧客との交渉の際には可否についてある程度判断できますし、技術者や現場のオペレーターなどと関係を構築できたことで、納期や品質について相談した際には親身に対応してもらえますから。営業担当自身が工場をはじめとする関係各部署と調整をとり、顧客からの要望に柔軟に応えるというスタイルを実践しているのは日本冶金工業の特徴であり、業界内で大きな武器になっています。競争力になるだけでなく、顧客との信頼関係構築にも大いに役立っていると思います。

いまのところ、困難な課題については上司の助力を仰ぐことも少なくありません。当面の目標は、知見を強化して判断力を高め、現在の部署・担当領域の職務をすべて単独でこなせるようになることです。中長期的には、他分野の製品も扱うことで営業としての幅を広げたうえで、販売企画などにも挑戦してみたいと思っています。

※インタビュー内容は取材当時のものです。

下原 怜事務系 企画/経理/総務

  • 文学部 文学科

  • 入社の理由社会基盤を支える鉄鋼業界に注目するなか、製品の質を追求する姿勢が自身に通じると感じて入社を決めた。

  • キャリアフロー2019年入社。生産管理部に配属されて原価管理業務を担当した後、2022年に経理部会計チームに異動。

就職活動では、「自身の働きが社会貢献につながる事業」という観点から、社会基盤を支える鉄鋼業界に注目しました。文系の学生にも工場見学の機会を提供するなど真摯な姿勢を感じられたこと、製品クオリティを追求する姿勢はこだわりが強い自身の性格とマッチすると思ったことなどから、入社を決意しました。

入社後の配属面接では、製造現場に近いところで管理業務に就きたいと考えたことから生産管理部を希望。これが通って同部署に配属され、工場のコスト管理業務を担当しました。現在所属している経理部に異動したのは、入社4年目のことです。

経理部では会社全体の会計業務を担っていて、経営にかかる予算の策定や社外に公開する資料の作成など、さまざまな職務があります。このなかで、私自身は輸入関係の会計処理や、長期間にわたって保有・使用する固定資産の管理を中心に担当しています。会計はとても奥深い世界です。例えば、ひと口に「固定資産」といっても、建物や製造設備のような有形の資産もあれば、ソフトウェアや特許権など形がない資産もありますし、種類によって会計上の処理が異なります。学生時代から無縁だったこともあり、学ぶべきことが無数にある点が大変なところです。ただし、社外の会計学セミナーを受けさせてもらえるなど会社側のフォローがありますし、もともと課題を突き詰めていくことが好きなタイプなので、新たな知識の習得が大変である半面、醍醐味にもなっています。

また、日本冶金工業は多品種少ロット生産で事業展開しているため、会計に関する実務も多種多様です。このため、実務のなかでは、会計学のテキストに単純にあてはめられないようなケースも少なくありません。過去の類似事例を確認したり、先輩や上司にアドバイスを求めたりで最適解を模索することになりますが、苦労の末に「これだ!」と思える方法論にたどり着いたときには、達成感を得られます。むしろ、定型業務の繰り返しに終始しない点こそが、日本冶金工業における経理業務の面白みになっていると感じます。

実は当初、経理部への配属を希望していたわけではなく、また、前部署で習得しきれていないテーマがあると自覚していたので、異動直後は心残りを感じていました。しかし、経理部の職務を通じて会計の奥深さや醍醐味を知り、やりがいを実感するようになった今では、すっかり夢中になっています。まだまだ未知の領域が多くありますから、専門性を強化することで社内の仲間から頼られる存在になりたいと思っています。そのためにも、自身の担当外業務にも積極的に関わり、総合力を高めていきたいです。

※インタビュー内容は取材当時のものです。

蔵原 希美事務系 販売(海外)

  • 国際学研究科移民学専攻

  • 入社の理由日本のものづくりに関わりながら、海外で仕事をするチャンスがある。

  • キャリアフロー2012年入社。海外営業部(欧州地域担当)に配属後、2015年にInternational Stainless Steel Federation(現World Stainless)に派遣。2016年から再び海外営業部で欧州・ロシアを担当。2020年よりアメリカ現地法人(Nippon Yakin America, Inc.)へ出向。

外国語学部で学ぶ一方、国際政治学や社会学に興味を持っていた私は、移民の研究をしたいと思い、イギリスの大学院に留学しました。留学中に日本のものづくりのレベルの高さを知り、日本のメーカー企業、その中でも海外で働くチャンスのある会社を捜しました。入社後の配属は希望通り海外営業部です。

海外営業部の主な任務は、海外市場での需要調査やお客様との商談、海外で開かれる展示会への出展、当社現地法人や商社との打ち合わせ、さらに受注から出荷までの調整です。一方で海外の現地取引先企業との細かいやりとりは現地法人の仕事になります。つまり海外営業部は、事業戦略の立案と顧客との関係づくりを担い、最前線の現地営業部隊と工場を円滑につないで、製品がきちんと納入されるように全体をコントロールしていくことです。

これまでのキャリアの中で、大きな学びの機会になったのは、入社4年目に1年間にわたって派遣されたISSF(国際ステンレススチールフォーラム)です。ステンレス鋼の国際的な業界団体でベルギーのブリュッセルに本部があります。私が担当したのは生産現場の安全対策で、各国がどのような対策を取っているか、どのような事故がどのくらい発生しているのか、といったことについてのヒアリングや、CO2排出量に関する統計などを行っていました。日本とは違う環境に身を置き、各国から派遣されているスタッフと交流しながら働くことは新鮮でまた刺激になりました。当時の同僚とは、今もSNSなどで交流を続けています。

1年の海外派遣期間を挟んで、これまで足かけ5年間にわたって海外営業部での仕事を続けてきました。入社当初は、ステンレス鋼や高機能材の知識が何もないまま、発生する納期問題や品質問題にも対処し、とにかくがむしゃらに仕事に向き合ってきたと思います。ようやく今、自分のスタイルで仕事をこなせるようになってきました。

入社後に伸びる人と、停滞してしまう人があると聞きます。入社そのものがゴールになってしまったら当然成長はありません。自分が何をして、どういう人間になっていきたいのか、それを考えていかなければならないと思います。留学をしたこともそうですが、私は漠然と海外で活躍できる人材になりたいと考えていました。そして、今では当社の海外展開を担える人材として、少しずつですが力をつけてきたと思います。この先、いずれは海外駐在員として世界の舞台で当社事業の拡大の一端を担いたい、そう思っています。

※インタビュー内容は取材当時のものです。

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