冶金は「ヤキン」と読みます。「冶」には、とかす、いる、ねり造る、の意味があり、冶金とは、金属を精製し加工することを意味します。さびにくくて美しく、強くて長持ちし、加工しやすいステンレス鋼。世に広まってからおよそ100年。つねに新しい冶金技術によって進化を続けてきました。そしてこれからも、社会をそして世界を支えていくことでしょう。

私たちは1925（大正15）年に創業し、1935年にステンレス鋼を初めて製造。以来、今日まで我が国におけるステンレス鋼のトップメーカーとして歩んできました。「NAS」というブランドは、まさにその象徴。長い伝統と優れた技術、そして独自の製造技術と万全の品質管理で、これからも高品質のステンレス鋼を作り出していきます。

汎用ステンレス鋼との両輪として当社を支え、今後の成長戦略の柱となるのが「高機能材」と呼ぶ特殊鋼です。世界有数の技術力をここに集約することで、次世代の様々なニーズに応える、そして海外大手と渡り合える製品群がいま揃いつつあります。私たちの新たな市場開拓は、始まったばかりです。

日本冶金工業の90年を支えてきたのは、他社の追随を許さない開発力と技術力です。それらを最大限に活かし応用することで、一般的なステンレス鋼と同じ量産設備を用いて高機能材を製造するという、世界でも類を見ない試みを実現させました。溶解精錬から連続鋳造、熱間圧延、冷間圧延までの全工程を同一製造所内で行うことで、低コスト、短納期という高い競争力を獲得し、世界への飛躍の足がかりとなっています。

私たちの主力製品であるステンレス鋼は、100％リサイクルが可能な金属で、しかも何度でもリサイクルできるため地球の資源を減らしません。そして私たちが現在独自に開発する高機能材は、高耐熱、高耐食あるいは熱膨張制御といった特性を持つ強靭な素材で、エネルギー環境分野を中心に発展を続けています。10年後、100年後の社会を支える金属を、私たちはこれからも作り続けていくのです。

本社から東京駅まで徒歩5分。川崎製造所から羽田空港まで車で10分。国内、海外両方のビジネスにおいて発揮されるその圧倒的な機動力と利便性は、他社には真似のできないものだといえるでしょう。今後世界各地にビジネス拠点を広げていくことになりますが、この２つがこれからも事業を発展させていくベースであることは間違いありません。

少し古い考え方なのかもしれませんが、当社の社員になってくれた人には、職業人生をここで全うしてもらいたいという想いがあります。今も川崎という都市部に製造所を置くのも、職住の充実が大切だと考えるから。製造所の直ぐ側に三食を賄う社員寮を完備するのも、同様です。様々な福利厚生が、この想いを反映しています。楽しいときも苦しいときもともに歩み続ける仲間として、皆さんをお迎えしたいと思います。

仕事が人を成長させるのだという考え方が、創業以来変わらぬ私たちの人材感です。なので、即戦力の人材を雇い短期間で成果を上げてもらおうとは考えません。長く勤め上げながら大きく成長してもらいたい。そして、配属は「適材適所」ではなく「適所適材」。様々な職場を経験してもらう中で幅広い知識と技術を身につけながら、最後はそれぞれの分野でプロフェッショナルになってもらう。100周年をともに迎える、意欲ある人材の挑戦をお待ちしています。