社長メッセージ｜日本冶金工業株式会社

社長メッセージ

代表取締役社長久保田尚志

ステンレス鋼と高機能材。
世界に類を見ない兼業メーカーとしての挑戦。

当社は1925年に設立された歴史のある会社です。1935年に初めてステンレス鋼を世に送り出して以来、ステンレス鋼のトップ企業として歩んできました。当社の製品はコイルや板の形で出荷されますので、普段は直接皆さんの目に留まることはあまりないと思いますが、日常用品から海外の大型プラントまで、実に幅広く様々な場所で利用されています。

率直に申し上げて、少子高齢化社会を迎えた日本国内で、汎用のステンレス鋼マーケットが、高度経済成長期のように伸びていくことは難しいと考えられます。ただ、ステンレス鋼の持つ機能を活かした用途、例えば、河川や海洋関連施設、IT関連を始めとするクリーンな事業関連設備、高い意匠性を活かした建設関係等々の分野ではまだまだ市場の成長が期待できます。
鉄鋼業は規模の経済が強く働く産業とよく言われます。当社の粗鋼生産量は年産25万トン程度であり、内外の大手高炉メーカーの数千万トン規模と比較すると極めて小規模です。そこでステンレス鋼に次ぐ柱として開発したのが、耐食性、耐熱性等に優れた「高機能材」と呼ぶ製品群です。当社クラスのステンレス鋼メーカーに適した製品群であり、大規模高炉では作れないし、製品価格も高価なことから市場もニッチな製品群です。ステンレス鋼から高機能材までを扱っている会社は世界でも珍しく、生産プロセスも当社独自のものを開発しています。

国内と海外のマーケット。
幅広い人材の育成こそが成長の源泉。

製造業としての基本は「品質」「納期」「コスト（価格）」です。まずはこれらを高いレベルで改善していくことが必要です。高機能材のマーケットは日本国内にとどまらず、米国、欧州、ASEAN、中国等の海外に広がっています。当社ではこうした地域に販売拠点を設立し、グローバルビジネスのチャネルやノウハウを構築しています。もちろん、日本国内マーケットをおろそかにするわけではありません。特に国内の営業マンは高機能材とともに汎用ステンレス鋼の専門知識も必要であり、取引先との密接なコミュニケーションによって、製品の販売や時には必要な製品開発にまで踏み込んだ営業活動を展開しています。

当社は一貫生産の鉄鋼会社としては決して大きな会社ではありませんが、その分、社内の風通しはよく、若手の意見にも耳を傾けることができる会社です。但し、それが故に責任も重くなります。良く「少数精鋭」と言われますが、少数が故に精鋭となる。仕事が人を成長させるものだと思います。高機能材の新規開発や海外展開等チャレンジの機会が数多くありますので、積極的に取り組んでもらいたいと思います。創業100周年を迎える2025年に向けて、またその先へと一緒に歩んでくれる「人材」として加わっていただけることを大いに期待しています。