耐熱鋼・合金

NAS H330

  • JIS
  • UNSN08330
  • DIN/EN

NAS H330は、高温において優れた強度、耐食性、組織安定性を有する耐熱ニッケル合金です。特に、耐浸炭および耐窒化性に優れております。また、組織はオーステナイト単相であり、軟質で加工性も良好です。当社では板、帯を供給します。

製品資料

NAS H330製品情報PDF(334KB)

主要成分 35Ni-18Cr-1.2Si
製品形状
帯
板
厚板厚板
加工性 熱間および冷間での加工性は、オーステナイトステンレス鋼とほぼ同様です。熱間加工の開始温度は 1230℃ で、終了温度は 980℃ が適当であります。冷間加工性は、オーステナイトステンレス鋼とほぼ同様ですが、加工硬化は若干低目となる傾向にあります。曲げ、絞りなどが可能ですが、加工硬化性がありますのでスプリングバックに注意を必要とします。
溶接性 溶接は標準オーステナイトステンレス鋼と同様に、TIG 、 MIG および被覆アーク溶接が可能です。溶接棒はAWS ERNiCr-3がよく用いられます。
熱処理 NAS H330は、オーステナイトステンレス鋼と同様にオーステナイト組織を呈し、熱処理もオーステナイトステンレス鋼に順じます。通常用いられる熱処理温度は、次の通りです。
・固溶化熱処理1040~1120℃
上記の固溶化熱処理において、炭化物の固溶およびひずみの除去が行われます。
酸洗 標準オーステナイトステンレス鋼と同様で、硝フッ酸溶液、あるいは王水などで行います。
特性 NAS H330は主として高温における浸炭、または窒化性雰囲気に対して用いられます。 815~1150℃の温度範囲の用途に対して最も適しております。
用途 炉関係の部品、熱処理ボックス、浸炭、窒化、固溶化熱処理その他各種熱処理における容器および部品、石油分解装置などに広く用いられています。