株主・投資家の皆様へ

株主の皆様には平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

第142期の中間報告書をお届けするにあたり、一言ご挨拶申し上げます。

当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の行動制限が緩和されたことにより、人の移動の増加やインバウンド消費などから経済活動が回復へ向かう一方、人手不足による建設事業の着工遅れや欧州における地政学リスクの長期化、欧米の金融引き締め、中国経済の回復の遅れなど不安定な状況が続きました。

ステンレス特殊鋼業界におきましては、ステンレス一般材は半導体製造装置や建材分野での生産調整が継続する中でマーケットの荷動きが低迷し、在庫調整局面が継続しました。

代表取締役社長 久保田尚志 代表取締役社長 久保田尚志

当社グループの戦略分野である高機能材につきましては、 世界的なインフレ影響を受け耐久消費財関連需要が弱含んだ状況となりましたが、環境・エネルギー関連分野の需要は比較的堅調に推移しました。

当社グループはこのような外部環境により販売数量が想定より厳しい状況で推移したものの、今年度よりスタートしました「中期経営計画2023」で掲げた施策によりロールマージンの確保に努めたほか、円安による為替メリットや主要原料であるニッケルの価格相場下落と販売価格との時間差などもあり、収益面については想定した水準を確保することができました。その結果、当連結累計期間における当社単体の販売数量につきましては前年同期比26.5%減 (高機能材12.9%減、一般材30.1%減)、連結売上高は939億7百万円(前年同期比24億59百万円減)となりましたが、 利益面(連結)につきましては、営業利益129億1百万円 (前年同期比2億50百万円増)、経常利益128億58百万円(前年同期比5億42百万円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益90億32百万円(前年同期比3億67百万円増)となりました。

剰余金の配当に関しましては、事業基盤の整備に必要な投資や業績見通しなどを考慮しつつ、さらなる財務体質の強化を図りながら安定的に実施することを基本方針としており、当期の中間配当につきましては1株当たり100円といたしました。

今後のステンレス特殊鋼業界につきましては、在庫調整の長期化や夏以降下落傾向が続くニッケル価格相場、中国経済の回復の遅れによる影響を見込んでおります。

当社グループとしましては、引き続きロールマージンの確保および「中期経営計画2023」の諸施策によるコストダウンを着実に進めることにより安定した収益確保に努めてまいります。

株主の皆様におかれましては、なにとぞ絶大なるご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2023年11月