耐熱鋼・合金

NAS 660

  • JISSUH 660
  • UNSS66286
  • DIN/EN
A 286 Alloy

NAS 660(SUH 660、UNS S66286)は、700℃までオーステナイトステンレス鋼より優れた高温強度を有する析出硬化型耐熱ステンレス鋼です。本鋼種は、SUS 304よりNi量を多くし、Ti、Al等の硬化性元素を添加しています。このため、時効処理により γ’ 相(Ni3(Al、Ti))が析出し、高温強度が著しく向上するステンレス鋼です。当社では板、帯を供給します。

製品資料

NAS 660製品情報PDF(314KB)

主要成分 25Ni-15Cr-1Mo-2Ti-0.3V-0.2Al
製品形状
帯
板
厚板厚板
溶接性 板厚が薄い場合はオーステナイトステンレス鋼と同様の条件で、スポット溶接、TIG、MIGおよび被覆アーク溶接などが可能です。
熱処理 NAS 660は析出硬化型合金であり、固溶化熱処理後に時効処理を行うことで強度は増加し、本鋼の特性を発揮します。一般に下記に示す二段の熱処理が行われます。
・固溶化熱処理:980℃ 保持後、油冷または水冷
・時効処理:720℃ 16時間保持、空冷
固溶化熱処理の冷却方法は油冷または水冷することが必要ですが、板厚が薄い場合は空冷でも問題ありません。時効処理の温度、保持時間が適切でないと、目標とする強度が得られない場合がありますので注意が必要です。
切削性 標準オーステナイトステンレス鋼に比較し、若干切削性が優れています。切削は高速度鋼工具でも可能ですが、なるべく超硬工具を用い、送り速度を遅くし、切り込みを深くする必要があります。
用途 本鋼種は主として、ジェットエンジン、ガスタービンおよびターボチャージャー用部品など高温強度を要求される用途に使用されます。