低・高熱膨張合金

NAS 36LG

  • JIS
  • UNSK93600
  • DIN/EN

NAS 36LGはニッケル (36%)と鉄とを主成分とする合金です。この合金は熱膨張率が非常に小さく、18-8ステンレス鋼の1/10程度ですので、温度変化による熱応力熱変形を極めて低く押さえることができます。そこで、常温と極低温に繰り返しさらされる、極低温流体の容器や配管にとって必要とされる波付、ベロー、ループなどの複雑な形状が不要になります。
この材料は良好な溶接性と、極低温での高い靭性を持つように設計されていて、LNG等の極低温流体用船や陸上貯蔵タンクのメンブレン材に使われます。日本冶金工業では板、帯として製品を供給しています。

主要成分 36Ni-Fe
製品形状
帯
板
低音靭性 オーステナイト組織であり衝撃値の遷移現象はなく、常温、極低温においても充分な靭性を有しております。
加工性 常温で軟らかく伸びが大きいので加工は容易です。
耐食性 ステンレス鋼のように耐食性に有効なCrを含有していないため発銹に対しては注意を要します。
用途 LNG 船や陸上貯蔵タンクのメンブレン材、極低温流体用の容器材やプラント配管部材に利用されます。